前書き


「今ひとつセッティングが決まらないなぁ」とか、雑誌なんかのプロのインタビューで「自分の音を見つけること」とか言われますが、実際に音作りに悩んでいる方や、自分ではいいと思っていてもバンドのメンバーから「何とかしろよ、おまえの音!」と言われてしまうからには、それなりの理由があります。
最初に抑えるべきポイントがあります。

 

1)決して他人の音は出せないと言うことを認識する

たとえば、あるプロミュージシャンに憧れていて、あの人と同じ音が出したい!と思ったとします。仮にそのミュージシャンが所有する機材、セッティングをそのまま使用できたとします。はたして全く同じ音が出るでしょうか?出るわけがありません。もちろん、ごく限りなく似た音は出るでしょう。では、なぜ出せないか。ギターを例に取るとまず弾き方が違います。ピックが弦に当たるときのアタック(力の強さ)や角度が違います。細かいことではありますが、本人でない限りその音を出すことはできません。逆に言うと誰もが自分の音を持てるという理由になります。ただし、極まれに崇拝の域まで達したコピーをやって本人になりきると確かに出せることもありますが...(私の知り合いである結構有名な完全コピーバンドのギタリストがそうです)。

 

2)常に耳は鍛えよう!

本当に好きなミュージシャンをコピーしているとき、慣れてくるとその人の手癖や、弾いているポジション(弦の音の違い)まで、聞いて判断することができるようになります。また、最近はチューナーという便利ものがありますが、音叉で長年チューニングをしていると、自分は絶対音感がないといってもA(ラ)の音はすぐに合わせられるようになったりします。また、リズムを聴くのも耳ですし、レコーディングでバランス取るのも耳が頼りです。音質、音域、音量という音の3要素を判断するのが耳ですので、どんなことにも敏感になるように常に耳を鍛えるようにしましょう。ヒントはどこにでもあります。

 

3)比較対象を持つこと

好きなミュージシャンをコピーしたり、バンドを組んでアンサンブルを始めたりして、自分の腕を上げていくわけですが、誰でもかまいません。「その人に比べて自分の音はどうなんだ?」という疑問を持って、音作りに挑むと比較的楽に見つけやすいものです。別にパートが違っても良いのです。たとえば自分はギターでも「ベースのあいつはとにかく音が太いよな」と思ったら、まずはアンプのセッティングを確認したりしても良いと思います。

 

4)音を録音して聞いてみる

最近ではパソコンに録音できるハードディスクレコーディングが一般化してきまして、結構いい音で聞けたりします。さらにソフトによっては周波数帯域がグラフ表示できるものもあり、分析には役に立ちます。まあ、ハードディスクレコーディングでなくてもDATやMDなどでもいいでしょう。用は、参考とする好きなミュージシャンの生の出音を聞かない限りは、CDなどのレコーディングされた(作られた)音を比較するでしょう。この音は加工された音です。CDなどで比較する場合は、同じように録音して聞いてみるのが一番です。録音の知識があれば、これまた音作りには役に立ちます。